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構造材を考える(2)国産の人工乾燥材

木造在来工法の住宅の構造材の種類
(1)国産の自然乾燥材
(2)国産の人工乾燥材
(3)外国産の人工乾燥材
(4)国産材の集成材
(5)外国産の集成材
昨日は自然乾燥材をご紹介しましたが、今度は国産の人工乾燥材。外国産のもあります。
生産者側の都合で生み出された人工乾燥材。メリット・デメリットそれぞれあります。

(2)国産の人工乾燥材
人工乾燥材という言い方と強制乾燥材という言い方、二つあります。写真で見るとわかりますが、外は割れません。木の芯が割れます。どうして割れるのかというと、これは奥三河の自然乾燥材、桧の土台です。
ネットから失敬した写真もアップします。
まずは強制乾燥の窯に入れた木材は下記の写真のように焦げます。

そしてこんな割れ方をします。

きれいに中心から割れています。
この割れに鉈、斧を入れるとさくっと割れます。木で最も強度があるところが中心部分。それが割れているというのは少々心配です。
柱などの垂直材ならまだしも、梁桁などの横架材に使うとどうなんでしょうか。
弊社ではこれは禁止です。
良くないだろうと想定されるものはやめる。それがルールです。強制乾燥材は狂いません。芯が割れていますから変形しない。だから仕事は楽。昔の棟梁たちの木を見て技を駆使する必要はありません。
割れて変形する自然乾燥材は割れを想定して棟梁たちがひと手間加える。それが昔の家づくりでした。
どうして強制乾燥材が生まれたかと言うと、含水率を下げろという指令と山の生産者たちのお金の回収の2つに行きつくと思います。
乾燥が悪いから建物が狂ってクレームが出るというところから、伝統の陰干し乾燥から一気に乾燥させてしまおうという人間の知恵から生まれたんだと思います。
生の木を人間が強制的にコントロールする。これは難しいですね。だって生き物だったものを人間が無理やり思う通りにしようとするから無理も出てきます。世の中はそういうものです。
台風や地震には勝てないですもの。
そしてもう一つ、お金の回収。
山で伐採すると山主にお金を払います。その費用の回収のスピードに注文してください。
自然乾燥材は最低1年以上乾燥させます。5年経っても乾燥しない物もある。山主にお金を払って野積みにしておくってお金が眠っていることになります。
そのうち腐ったり、変形したりして予定の材として使えない物も出てくる。歩留まり7、8割と言われています。
逆に強制乾燥材は伐採してすぐに四角に製材して高温窯に入れて一か月後に名古屋にやってくる。
お金の回収は一か月後です。多少は変形して使い物にならない材も出てきますが、歩留まりも自然乾燥材よりは良くて出荷できる。
生産者には都合がいいですね。

このようなことから強制乾燥材が多くなっています。
私は自然乾燥で頑張っている山の人たちを応援したい。ぶれませんぞ~。ファイトだね!

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