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職人の想い、心意気

毎週日曜の早朝にNHKで放送されている「目撃!にっぽん」はいつも車中で見入ってしまうことがしばしば。
6時15分スタートなのでご存知ない方もいらっしゃるかと思いますが、ヒューマンドラマ仕立てで人の「魂」がテーマなのかなと感じている私です。
今朝の「目撃!にっぽん」は「職人の世界」でした。
一気に引き込まれましたよー。

「“空師”~吉野の山に生かされて~」

日本屈指の林業の地、奈良吉野で一目置かれる空師・中平武さん43歳。そびえ立つ木に登り伐採する職人だ。技術を極めることで廃れゆく林業を活性化したいと空師を志した中平さん、この秋挑んだのは空師の技を用いなければ切ることのできない山奥の樹齢200年を越える巨大なとちの木。共に伐採に立ち向かったのは背中を追い続けてきた父。予想もしない試練の連続。誇りをかけた挑戦の結末は。知られざる大和の空師の物語。

テーマ曲も心を揺さぶるメロディーでいかします!

奈良県吉野は吉野杉の一大産地。
しかし、外国産の集成材などにおされてしまい、国産材の需要は激減。
同じ仕事につく空師さんは1/5になったとお話しされていました。
空師という言葉は私も知らなくて、空中にある枝を伐倒していくのが空師で、根っこから伐倒するのが樵とのこと。
樹木の伐採は難しいです。
特に広葉樹。
広葉樹は垂直に伸びない。
曲がっています。
曲がっているということは、重心の位置をちゃんと把握しないと自分の方に倒れたり、予期もしないところに倒れたりとたいへんなことになります。
今日のテレビでは栃の木の大木の伐採を委託され、深い森の中で伐倒している光景をリアルに映し出していました。
栃の木も広葉樹。曲がりくねっている。
地面から斜めに伸びた大木もあり、いきなり根っこから伐倒すると木が裂ける可能性もあり。
どのようにしたら立木のままの状態で伐倒でき、商品として使えるかを現場であらゆる角度が検証して取り組んでいる姿がとても素敵でした。
THE職人です!!
中平さんの73歳のお父さんも同行。
修業時代、すごい厳しかったと武さんは述べられていた。汗をかいていると「汗なんかかいてるんじゃない!!!」と言われたとのこと。
これ、私の親方も言ってた。
「汗をかいて現場を汚してどうにもならん奴」という叱責です。
そんなこと言われても・・・とマジで頭にきたこともありましたが、汗をかくということは、動き回っているだけで、本物の職人はそんな無駄な動きはしないということを言いたかったのでしょうね。
もっと脳みそを使えと・・・中平さんが言われた当時の感触はこれだったのではと感じました。
職人とは理不尽極まりない中で頑張った奴だけがまともになる。これは間違いないと思います。
中平さんのお父さんが「あそこまで歩いていけて、ようやるわ」なんてことをポツリとつぶやいていました。
これは誉め言葉。中平さん43歳にして初めての褒め言葉だったようです。
私の親方も一度だけ言ってくれた「まぁまぁだな」と。
先輩大工さんに「それは褒められたんだぞ」と教えてくれた。
たった一度だけですが。たった一度が響く。今も残る。あの時の気持ちを忘れずにつくっていきたい。
それを思い出させてくれる素晴らしい番組でした。ぜひ見てほしいです。再放送あるはずだよ!

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