昭和50年代初頭は分譲住宅がたくさん建ちました。
雨後の筍のように乱立状態と言っていいほどでした。
材は注文住宅とは異なり、廉価版だけど大工の質が良かったらそれなりのものになります。
屋根裏の一枚。梁もしっかり仕口されているし、柱と梁の仕口もしっかり。
天井下地が昔の大工さんのやり方で私は好き。
尺5寸角で下地を組んでいます。屋根を支える垂木というものは、当時よく使われていた南洋材のカチカチの木材「アピトン」というものが使われている。
この材はフローリンク背にも使われます。今もあるようですね。
ものすごく硬くて、乾燥すると収縮が激しく反り、ねじりが出てしまいます。
当時は乾燥されている材などはなく、水分だらけでチョー重たいものでした。乾燥しちゃうと狂ってしまうので、未乾燥のまま取付し、乾燥するのを待って仕上げていくというものでした。
電線のショートカットはいただけないが、全般的にいいレベルの大工仕事。
だからそんなに大きな狂いはないと傷みも少ない。
古い建物を見るポイントは屋根裏と床下。
そういえば床下は玉石の上に床束があって懐かしかった。
昔はこういう自然の物を組み合わせて造っていたので、大工の技術が必要だったのです。
今は誰でもできそうな家ばかりになってしまい、今生まれ変わったら建築の道には行かないかもね・・・職人の質が何よりも第一で適材適所で素材選択する魅力ある家が皆無ですもの。
中古住宅は当時のそこが見えて、リノベーションはすっごく楽しいけどね~。
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