古い建物を見に行くことが好きで、石しかない城址(行きたいと誰もが思わないような怖い城跡)に行くと必ず古建築を探している私です。
凛とした佇まいをもった古建築は命を感じます。
これを見た時は心が動きましたねぇ。床の間の横の書院です。
欄間は手彫りで躍動感を演出。
曲線のラインが微妙に美しい。
これって美的感覚が優れていないとできないですよ。
欄間の四方枠は黒枠で漆塗り。
そして欄間下の花頭窓。繊細な形状を木で作り、漆で黒仕上げ。
どれほど手間がかかっていることでしょうか。
今は人の費用が高く、これを人力で作ったらうん十万円の世界になると思いますが、当時は職人の単価は低く、材料の方が高いというぐらいでしょうから、手間の割には安価でできたんだろうね。
私が大工始めた頃も、いっぱしの大工さんが8000円/日でした。
桧の4寸角柱特一等材(節つきのもの)でも6,000円?7,000円?ぐらいしてました。一本間違えると日当が飛ぶということです。
だから材料の方が大切で、大工の修行中の小僧が怪我するのは気合が入っていないで叱られ、間違えて材料をダメにすると蹴とばされという時代でした(笑)
さて花頭窓の横の板は杉の鏡板です。これだけの幅の杉板を取るには樹齢は最低でも100年必要じゃないかな。節無しのすごい杉。
そして段になっている板が欅。武家屋敷だから欅なのです。農民はこんなのありません。
商家で欅なんぞ使っていたら贅沢商品として非難されるので、上から一枚かぶせたという話も聞いたことがあります。
古建築を巡るとたくさんのことが頭をよぎります。
だから楽しいし、やめられないです~
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