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木材の割れを考える

木材はもともと樹木。
樹木とは土に根を張り、二酸化炭素と水を吸収しながら成長していく植物です。
樹木を伐採したときは、水分をたくさん含みとてつもない重さを持っています。
水分と細胞で固形物となっているため、水分が抜けてしまうと収縮を必ずします。
収縮があると必ず歪みが出ます。歪みが抑えきれなくなった跡が木材の割れになります。
割れないとおかしいと言うのはこういうところから来ています。
木を乾燥させると言うのは、昔から陰干しが基本。
水分を抜くためには通風が必要だからです。
なのですべての木材が必ず割れを生じていますが、その割れも上手に生かして組み立てしていくのが大工の棟梁と言う人たちです。

ここが熟練の経験値…木を知り尽くした匠がいるのです。

割れるから、建物に歪みが来ないように工夫をする。ここは大工の棟梁の腕の見せ所とも言えるんです。

古い建築物を見ると、必ず割れが発生してますが、築数百年たっても現存しています。
理由は既に書いたように腕利きの大工の棟梁が木の個性を見ながら適材適所で配置しているからに過ぎません。

最近は割れがない木材が大半になっています。表面が割れない代わりに、内部で割れることで歪みを収束させているわけですが、
内部で割れてしまうのは少しばかり危険ではないかと思います。極端なことを言うと、木材の断面積が2分の1になると言うことなのです。

表面が歪まないので使いやすい、誰でもできると言うものになって便利なのですが、歴史から見るとどうなのかまだ結論は出ていません。
昔の人たちが年々培ってきた技術を継承していきたいと思っています。

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