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安息角

聞きなれない言葉ですが、建築ではよく出てくる言葉。
安息角で検討した地中杭の計画。

安息角30度というのは、造成地でしばしば見られるのり面の勾配を言います。ネットから失敬しましたが、この景色見ますよね?斜めになっている部分が安息角30度です。

これも安息角30度だよ。

高速道路などでよく見かけるよね。すごい勾配と思いきや、30度。崩れない角度と設定されています。

そして下の図面。

安息角30度の下まで杭が入っています。杭の上は基礎。
擁壁が崩落しても建物は崩れないようにした設計です。

最近は役所が責任を追及されるのを避ける、責任取りたくないという姿勢が露わでやたらこういう部分に口をはさんできます。

過去は何も指摘がなかったことを「あーでもない、こーでもない」と申請時に言う。
担当によっていう事も変わる。
どんな人たちだよ!というのが対役所とのやりとりしている人たちの口癖です(笑)

増築が最近滅多にありません。それは行政が既存の建物に対して補強しろとか換気が何とかと言い、申請が困難になっているからです。

国が断熱に力を入れてエネルギーロスを減らしていく方向にありますが、増築できず壊してゴミを増やしていてはエネルギーロスははるかに大きい。

木の柱1本、60年ほどかかってようやく一人前の柱になります。その柱は空気中の二酸化炭素を吸って成長し、木自身が二酸化炭素をストックしてくれているのですが、壊して燃やしたらストックから排出になる。

60年かかった木材なら60年は使ってあげないと。

20、30年で解体していては木がかわいそう。

最高の省エネルギーは解体せずにリノベーションをしてあげること。
リノベーションは大型の建物以外は法規制がなくて野放し。増築は既存の建物に対して注釈をつけて増築できないようにする・・・これが建築行政の現実です。

増改築をぜひぜひ有効な省エネ手段としてもっとやりやすくしてほしいものです。

でも最近は増改築できる大工さんが少ないよ・・・だって既存の部分と取り合わせるんだから知恵・知識・技術が必要。そういう大工さんは本当に少なくなったよ。

我々はそういうところができる工務店であり続けたいと思っています。新築より遥かに難度高いよー!

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