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構造材を考える(1)国産の自然乾燥材

木造在来工法の住宅を構成する構造材。軸組とか骨組みとか言いますが、千差万別の乱立状態にあります。どれがいいか?それはお客様が決めればいいことなので、これじゃないとダメなんて野暮なことは言いません。
が、私たちは一貫して貫いている構造材があります。
木造在来工法の住宅の構造材の種類
(1)国産の自然乾燥材
(2)国産の人工乾燥材
(3)外国産の人工乾燥材
(4)国産材の集成材
(5)外国産の集成材
この5つが分類されるとかと思います。

(1)国産の自然乾燥材
写真のように外側が必ず割れます。これは奥三河の自然乾燥材、桧の土台です。
割れるからダメじゃなく、日本の木造建築物は古来からずっとこれオンリー。
名古屋の近くにいい見本があります。犬山城。

大きな丸太の梁が割れています。
これで400年強。すごいですよね。
自然乾燥した木は割れて強度を増すと言われています。割れない木の方がおかしいんです。法隆寺五重塔は今もなお強度を増していると言います。

これは奥三河の自然乾燥材の杉の梁桁です。
小さくカットしているので、割れが大きくなっていますが、実際はここまで割れるのは少ないです。
全て木の芯に向かって割れます。これは芯が乾燥したりで動くために割れるのです。
以前建て方している時に「植山さん、こんな割れた木ばかり使ってどうしてくれるの?」とお叱りを頂きました~「誰がそんなことを言ったの?」と尋ねると「近所のおばあさん」と・・・
「そのおばあさんにね、あなたの家の天井をめくって木を見てよ、同じように割れているから。割れて何十年も建ってて何の問題もないでしょ」と言っといてちょうとお返し。
木は割れて強くなる。割れない木はどうして???と疑問を持ちましょう。
この自然乾燥材の構造だけは時代がどれだけ変化しようと妥協しません。妥協したら私が私でなくなる。大工の意地にもかけて貫く所存~だって昔はこれしかなかったんだもん。それで百年、二百年と建っている
事実がある。先人たちが集結させて歴史と言える。歴史から人間は学ばないと。私の好きな歴史家磯田道史さんも歴史から現代を見つめています。歴史は先人たちの知恵の積み上げ。それを後世の我々が恩恵に預かっている。真摯に向き合って取り組まないといけないと教えてもらえます。

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