インスペクションの協会では、事実だけ記載とありますが、事実だけなら誰でも書ける。
事実だけ報告されてもお客様どうしたらいいの?か分からないよね。
事実からアドバイスしなきゃインスペクションの価値がないと思います。資格無しの頃からも散々やってきたので、プロの報告を作るのは私には当たり前です。
床下はとてもよかった。土台は当時流行っていた防腐剤注入土台。大引きはヒノキ3寸角。
おまけに断熱材が垂れ下がらないよう断熱受けまでしっかりしてある。これはとても気の利いた施工で注文住宅ならではの仕事です。
これを建てた棟梁は昔よくいた腕利きの職人です。
以下の写真は小屋裏構造。
小屋束という垂直材に母屋という横架材が載せられていますが、小屋束の中心で継ぎ手を作ってる。私は垂直材から一尺ほど延ばして継ぎ手を作ってましたが、この流儀の違いは半々ぐらいかな?
正解はないが、この写真の通りでオッケーです。
小屋束と母屋をつなぐ鎹、母屋の継ぎ手を緊結する鎹がしっかりと施工されているのは好印象です。
下の写真は寄棟隅木部分の小屋組み。
母屋に斜めに走る隅木、きれいに仕口がされている。
隅木に取り付けた垂木は配付垂木といって斜めの隅木に斜めに垂木を取り付けてます。この勾配の出し方、わかるかな?
頭がキレないとできないよ!
この親方、隙間なくバチっとひっついている。見事。
屋根材の下地の板も無垢の野地板。半永久。
こう見ると昔の大工は長持ちすることをちゃんとやってる。そこを当たり前のようにやる大工が多くいたということ。
先輩から受け継いだ知識知恵を表現してるんだよね。
インスペクションはこのような見えないところは当たり前にチェックしますが、見える部分もチェックします。
屋根に登って谷樋チェック。
谷樋の幅が広い。これはとても良いことです。
谷樋と瓦の取り合わせ部分を漆喰塗り。良いです!
瓦が銀黒瓦、高級瓦です。ます劣化しない。
瓦がズレないようにシーリングが施されていますが、瓦の下を潜った雨水がちゃんと排水されるよいにしてある。
酷いものだと全てシーリングして万が一瓦の下に潜った雨水の行き場が無くなるような施工してあるのも見る。
おまけにめっちゃきれいな施工。
ここはとう?という点も何ヶ所かありましたが、表面的なことばかりで大事部分はオール⭕️。
築年数ではなく建物の質を見て判断しないとね!それがインスペクション。
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