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古(いにしえ)の建物を訪ねて新しきを知る パートⅢ

犬山にある明治村続編パート3。
浴室の天井です。三角形になっていますよね。
これを船底天井と言います。
若かりし頃、お客様から船底天井にしてくれというご要望は多かったねぇ。
どうしてかわかりますか??

まずは数寄屋建築風でおしゃれということ。
もう一つは機能性です。
湯気が立ち上がって天井につくと水滴になり、天井からポタポタと浴槽内に落ちてくるのを防止するためにわざわざ勾配にしています。
写真の船底天井は磨き丸太を最高部に横たわせ、そこから勾配で竹を伸ばす。
竹の節が交互になっているのはわかりますか?
木材の節目は揃えない、これが大工仕事の原則ですよー。最近の大工さんは知らないだろうねぇ・・・少し寂しい。

この木枠のきれいな面取り。


もう見ているだけで嬉しくなるパーツ。
全て大工の手作りですぞ。
ひと手間かけるだけでこんなに表情が変わる。
昔の大工はセンスがあるんだよ。美しいものの基準がある。
それが伝統的につながってきたが、昨今の住宅は生産性、効率、利益が先行でひと手間を感じるものが壊滅的になってしまった・・・寂しいです。我々だけは妥協せずにトライしていきたいと思います。

和と洋がミックスした階段のデザイン。

手摺のスタートの曲がりは洋風階段のテイスト。
手摺の下にある二本重ね、三本重ねの子柱は洋でも和でもいい。
二本だったり三本だったりとしているところがいいね★
ずっと見ていても飽きが来ない。
そして塗装では出ない見事な光沢。

これは木の最大の魅力じゃないかと思います。
時間が経過するとますます良くなる。こんな階段が待っている我が家を解体したくはないですよね!
木に住んだ人の年輪が刻まれ、鈍い光沢となって往時を偲ばせる。新築当時よりも時間を経れば減るほど味が増す。そんな家を作っていきたいな~

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